わたしのキオクdiary

幼少期から現在に至るまで

サーカス

 

私が小学生低学年だった頃だと思う

 

市内にサーカス団がやってきていて

当時はすごく珍しくて

同級生がサーカスを観に行って、凄かった!楽しかった!って言うのを聞いては

私も観てみたい

と思っていた

 

3歳年下の弟もサーカスを観に行きたい!と母に連れて行ってもらえるように毎日頼んでいた

 

私もどうしても観たかったので

毎日弟と一緒に母に連れて行ってもらえるようにお願いをしていた

 

母はサーカスなんておもしろくないよ、行かない!と何度も却下された

 

しかし、私と弟はどうしても観に行きたかったので毎日毎日繰り返しお願いしていた

 

 

とうとう、母は私たちの必死の懇願に負けてしまったようで、サーカスの期間が終わる寸前に連れて行ってもらった…

 

 

 

もう、私と弟は大喜び、大はしゃぎだった

本当にここまでは嬉しかったことを覚えている

 

 

私の住んでた町は

市内から汽車で2時間もかかる場所

ものすごい田舎町だ

 

汽車に揺られて2時間

ずっと母は不機嫌だった…

私と、弟2人を連れて慣れない汽車に乗り、行きたくない場所に行かなければならなかった母

 

市内の駅に着いたときには

母はトイレに向かい、吐いていた…

 

吐き終わった後

もう、これだから汽車になんか乗りたくなかったんや

ってぶつぶつ言っていたのを覚えている…

 

 

子どもながらに申し訳ない気持ちが

襲いかかった…

 

 

母の気分が悪そうな不機嫌な顔を見ていると

楽しくてうきうきする気持ちが急降下で下がっていった…

 

 

サーカスの受付で長蛇の列

初夏だったように思う、帽子の脇から汗が流れ落ちる…

 

母がぶつぶつとこんなに並ぶのか、だから嫌だったんだとか不満を口にする

 

 

私はだんだん自己嫌悪に陥り

しんどくなってしまった

 

 

やっとサーカスのテント内に入り

椅子に座る頃には

もう、楽しい楽しいサーカス気分ではなくなってしまっていた…

 

 

サーカスの演技は続いていたが

 

 

いたたまれなくなって

 

 

お母ちゃん、もう帰ろう

 

 

って言うと

 

 

ほら、言うたやろ、おもしろくないって!

 

 

楽しみで楽しみで楽しみで

 

 

でも…

 

 

何度も何度も否定的なこと言われたら…

 

 

楽しみにしてたことも

 

 

楽しくなくなってしまうんだよ

 

 

極め付けは

 

 

 

おまえたちが連れて行ってくれって言うから来たのに!ほら、おもしろくないやろ!

 

 

それはそうだけど…

連れて行ってって言ったよ、確かに…

 

 

幼い私は

母の不満たっぷりの言い回しに

泣いてしまった…

 

 

 

大人になって、母になり

我が子に…

自分も母と同じようなこと言っていたことに

愕然としたことがある

 

 

親が楽しめば、子どももどんな事でも楽しめる

 

 

自分が楽しくなければ

子どもも楽しくない…

 

 

母も一生懸命だったに違いない

 

楽しませてあげようと

連れて行ってくれたに違いない

 

ただ毎日の生活に疲れていたのかもしれない

 

 

母はもういない

 

 

母の当時の気持ちを聞けない…

 

 

 

サーカス団を見ると切なく

 

悲しくて…

 

 

少しだけ苦しい…

 

 

過去が蘇る…

 

 

 

 

 

 

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