わたしのキオクdiary

幼少期から現在に至るまで

哀しさの里帰り出産

 

初めての出産で

何が何だかわからない

 

当然のように田舎の母に頼るのが一番だと考え

里帰り出産

を決意した

 

予定日1ヶ月前に

田舎に帰省した…

 

これが間違いだったんだ…

 

母は暖かく迎えてくれたが…

年老いた父、弟2人…

私が暮らしていた頃の嫌な記憶が

フラッシュバックした

 

 

過去のどうにもいいようのない暗い、辛い、いたたまれない気分…

逃げ出してしまいたい、夫の住む家に帰りたい!!

 

そうは思っても、妊婦の私はどうすることもできない

 

夫と離れた寂しさで、声を聞きたくて電話をするが、当時夜遅くまで働いていた夫

 

帰宅は10時過ぎることが多かった…

 

実家は田舎で夜7時を過ぎると店は閉まってしまうような場所

当然、早く就寝する…

 

夜10時過ぎにこっそり電話をかける…

みんなの邪魔にならないように、母の邪魔にならないように…

 

毎日、どこに行くわけでもなく

家の中にいる私に母は、友だちのところに会いに行ってはどうか?とか買物に行こうだとか行ってくるが、どうにも行きたくないので断ると

 

妊婦が動かずダラダラしていたら、身体に悪いなどと、私の生活態度にケチを付けてきた

 

田舎だからどこにも行くところがない!

と反論すると

 

母の逆鱗に触れたのか

一気に私に不満をぶちまけた

 

こそこそ夜中に電話して!

そんなに田舎が嫌なら帰れ!

 

 

こそこそ電話?

私だってみんなに気を使って小さい声で電話してたんだ!そんなこと妊婦に向かって言う?

 

私は怒りと悲しみ、悔しさでいっぱいになったが言葉にできず、大泣きしてしまった…

 

毎日、我が家に帰りたい

夫にも電話で帰りたい、田舎にいたくないと何度も懇願…

 

 

翌日、少しだけ自宅に帰って、嫌だけどまた田舎に帰ればいいかと…

汽車に乗り、船に乗って夫のいる家に帰った…

 

父にはちょっと出かける

とだけ言い残して…

 

 

やっぱり自宅がいい…

改めて実感した、夫も優しく迎え入れてくれて…

 

その夜

破水し、緊急で以前検診を受けていた産婦人科に夫の運転する車で向かった…

 

 

絶対安静ですぐに出産準備に取り掛かる…

陣痛がおきていなかったので、陣痛促進剤を投与…まもなく陣痛が始まった…

 

 

陣痛の間、間に

母になんて言えばいいんだろう

と言うことばかり考えていた…

 

 

 

無事に女の子を出産…

 

実家の母には、夫が連絡をしてくれた…

 

激怒していたのではないか?と聞くと

お母さん、おめでとう

って言ってたよと…

 

しばらくして

実家の母に電話すると

やはり、電話の向こうで私に激怒、怒鳴る、これでもかと言うほどの怒り

を私にぶつけてきた

 

 

こっちの病院に謝りの電話をいれろ!お前の荷物は全部捨ててやる!

 

他にも夫に電話をかけた電話代を返せ!

(当時長距離電話は高額)

父に心配させてどうするつもりだったんだ!

 

ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせられた…

 

母との決定的な断裂…

 

 

その時から

私は毎日毎日

乳飲み子を抱えながら泣いていた…

 

 

このときの私は、鬱状態だったと思う…

 

 

母に何度も懺悔の電話をかけるが

毎回怒鳴り散らされ、私の心はズタズタだった

 

ある日電話代を

現金封筒で田舎の母に送ると速攻で返された

 

 

もう二度と田舎には帰れない…

 

 

我が子の顔も見たくないのだろう…

 

 

 

どうしていいのかわからないまま

時は過ぎて…

 

助けてくれたのは…

母との絆を再び結んでくれたのは…

 

姉でした…

 

 

やさしい、やさしい

 

今は亡き姉でした…